You’d Be So Nice to Come Home to

[show_custom_data]

jazz-session-portal

解説

作曲年:1942年
作曲:Cole Porter(コール・ポーター)
作詞:Cole Porter(コール・ポーター)

この曲は1943年の映画『Something to Shout About(サムシング・トゥ・シャウト・アバウト)』のために書かれたが、作品としては作曲者であるポーターが「Something to cry about(泣きたくなるような代物)」と語ったほど駄作に終わった。しかしこの曲だけはその歌詞の内容が第二次大戦の戦時下において最愛の人と離れ離れとなっていた兵士たちの共感を得たことにより、大衆的なヒットとなった。

当初はDinah Shore(ダイナ・ショア)が歌ったレコードがヒットしたが、ジャズ・ミュージシャンたちに取り上げられるまでにはそれから10年以上も要することになる。1954年になってようやくHelen Merrill(ヘレン・メリル)とClifford Brown(クリフォード・ブラウン)のアルバムでこの曲が録音されると、それをきっかけに様々なジャズ・ミュージシャンが取り上げ、人気のスタンダード・ナンバーの仲間入りとなったのである。

さて、この曲の邦題には『帰ってくれたらうれしいわ』や『帰ってくればいいのに』などとつけられているが、これらは誤訳である。
ポーターは話し言葉を用いて詩的な情感を表すことに長けているが、この曲のタイトルはその最たる例だろう。英語の文法としては非常に難解ではあるが、要約すると「君のもとに帰れたら素敵だろうな」という意味になる。
女性歌手によるヒットが多いため恋人の帰りを待つ女性の歌とも思われがちであるが、恋人の待つ家に帰りたい(が、帰れない)男性の気持ちを歌ったものである。

#ABAC構成, #32小節, #Verse

参考音源
Dinah Shore (1942)
Helen Merrill – Helen Merrill (EmArcy, 1955)
Vocals – Helen Merrill
Trumpet – Clifford Brown
Arranged By, Liner Notes – Quincy Jones
Coleman Hawkins, Ben Webster – Coleman Hawkins Encounters Ben Webster (Verve Records,1957)
Tenor Saxophone – Ben Webster, Coleman Hawkins
Piano – Oscar Peterson
Guitar – Herb Ellis
Bass – Ray Brown
Drums – Alvin Stoller
Art Pepper – Art Pepper Meets The Rhythm Section (Contemporary Records, 1957)
Alto Saxophone – Art Pepper
Piano – Red Garland
Bass – Paul Chambers
Drums – Philly Joe Jones
Jim Hall – Concierto (CTI Records, 1975)
Guitar – Jim Hall
Trumpet – Chet Baker
Alto Saxophone – Paul Desmond
Piano – Roland Hanna
Bass – Ron Carter
Drums – Steve Gadd