The Days of Wine and Roses

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解説

作曲年:1962年
作曲:Henry Mancini(ヘンリー・マンシーニ)
作詞:Johnny Mercer(ジョニー・マーサー)

今日の日本のジャズセッションにおいて「酒バラ」の略称でおなじみのこの曲は、1962年公開の映画『Days of Wine and Roses(酒とバラの日々)』のテーマ曲として作られ、公開年にはアカデミー歌曲賞に、また1964年にはグラミー賞の最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀編曲賞を受賞するなどして大ヒットした。
監督のBlake Edwards(ブレイク・エドワーズ)と作曲のヘンリー・マンシーニとのコンビが作った映画は他にも1961年の『Breakfast at Tiffany’s(ティファニーで朝食を)』があり、主演のAudrey Hepburn(オードリー・ヘップバーン)が歌った『Moon River(ムーン・リバー)』が特に有名。

非常にロマンティックなメロディであるが、映画の内容はアルコール依存症となった夫婦の悲劇を描いたシリアスドラマである。
「酒とバラの日々」というフレーズはもともとイギリスの作家Ernest Dowson(アーネスト・ドーソン)の詩『Vitae Summa Brevis』から引用されており、参考までに以下に紹介しておこう。

They are not long, the weeping and the laughter,
Love and desire and hate:
I think they have no portion in us after
We pass the gate.

They are not long, the days of wine and roses:
Out of a misty dream
Our path emerges for a while, then closes
Within a dream.

楽しき日々は長くは続かない。
愛と欲望と憎悪:
それらも全てその扉を通り抜けるまでのこと。

酒とバラの日々は長く続かない。
その道筋は霧のかかった夢の中から現れ、
そして夢の中で閉じられる。

歌詞の方もこの詩の様に非常に抽象的で人によって様々な解釈が出来ると思われるが、儚き人生についての内容であることは間違いないであろう。

ちなみにジャズ・スタンダード・バイブル(通称、黒本)には曲名の頭に「The」がついているが、つけない方が一般的なようである。

1963年にAndy Williams(アンディ・ウィリアムス)が歌ったものが特に大ヒットしたが、ジャズ・スタンダードとして特にこの曲を有名にした録音は1963年のWes Montgomery(ウェス・モンゴメリー)によるもので、その後もとりわけギタリストに愛されることとなる。それ以降、実に様々な有名なミュージシャンが次々と録音を残している。

#ABAC, #32小節

参考音源
Andy Williams (1963)
Wes Montgomery – Boss Guitar (Riverside, 1963)
Wes Montgomery – guitar
Mel Rhyne – organ
Jimmy Cobb -drums
Barney Kessel – Contemporary Latin Rhythms (Reprise Records, 1963)
The Oscar Peterson Trio – We Get Requests (Verve Records, 1965)
Oscar Peterson -piano
Ray Brown – bass
Ed Thigpen – drums
Tony Bennett / Bill Evans – The Tony Bennett Bill Evans Album (Fantasy, 1975)
Michel Petrucciani – Michel Petrucciani (Owl Records, 1981)
Michel Petrucciani – piano
J.F. Jenny-Clark – bass
Aldo Romano – drums
Ella Fitzgerald And Joe Pass – Easy Living (Pablo Records, 1986)