Bye Bye Blackbird

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解説

作曲年:1926年
作曲:Ray Henderson(レイ・ヘンダーソン)
作詞:Mort Dixon(モートン・ディクソン)

この曲は1926年の発表後、Gene Austin(ジーン・オースティン)やその他いくつかのグループによって演奏され人気となったが、そこから約30年もの間忘れられた存在となってしまい、その後1950年代に入ってから数本のミュージカル映画で取り上げられたことでようやく復活を果たす。
有名なものとしては1955年の『Pete Kelly’s Blues(ピート・ケリーのブルース)』で、アルコール依存症のジャズ歌手の役として出演していたPeggy Lee(ペギー・リー)が歌っているものなどがある。
そして何と言っても1956年にMiles Davis(マイルス・デイヴィス)が発表したアルバム『’Round About Midnight(ラウンド・アバウト・ミッドナイト)』で演奏された事で、この曲はようやくジャズ界に広く知られる存在になったと言っていいだろう。
なおこのアルバムに参加していたJohn Coltrane(ジョン・コルトレーン)は、自身のグループで1962年にこの曲をタイトルに冠したアルバム『Bye Bye Blackbird』を発表しており、このアルバムは1981年にグラミー賞を受賞している(本人はすでに故人となっていたのだが)。

歌にはVerse(バース)がついており、ブラック・バードを不幸の象徴として、またブルー・バードを縁起の良いものとしてそれぞれ捉え、それらを対比する歌詞となっている。
そしてChorus(コーラス)では自分の置かれている悲惨な状況から抜け出し、幸せを目指してブラック・バードとさよならする、と続く。
非常に抽象的な歌詞であるため、このブラック・バードを何かの暗喩と捉えられる事が多いようだが、おそらくは単なる不幸全般を指しているだけだと思われる。

#32小節

参考音源
Gene Austin (1926)
Peggy Lee – Songs from Pete Kelly’s Blues (Decca Records, 1955)
Miles Davis – ‘Round About Midnight (Columbia Records, 1956)
Ben Webster Meets Oscar Peterson (Verve Records, 1959)
Etta Jones – Don’t Go To Strangers (Prestige Records, 1960)
John Coltrane – Bye Bye Blackbird (Pablo Records, 1962)
Keith Jarrett Trio – Bye Bye Blackbird (ECM Records, 1993)